情報は、ありすぎると真の課題が見えにくくなる。

◆ 「情報がありすぎると真の課題が見えなくなる」とは?

私は仕事柄、いろんな方々にお目にかかります。

また、組織変革やコミュニケーションのトレーニングでは、異業種の方々とたくさん会っていろんな話をしたりトレーニングを受けたりします。

いろんな人と仕事での話になるとき、その人が

  • どれくらい仕事ができる方か?

がわかる瞬間があります。

それは、下記のような話になった時です。

  • 真の課題を見つけられる方か?
  • その真の課題をどれくらいの速さで見つけられるのか?
  • 真の課題が客観的に見ても真の課題と言えるか?

これって、誰でもできるようで、実はそう簡単に誰でもできるものではありません。

コンサルタントであっても、企業の重役であっても、課題がすぐに見つけられないことは多々あります。

なぜなら、当事者は情報をたくさん持っているからなんです。

当事者から見れば、どのような情報でも多かれ少なかれ価値を持っていると思っていますから、課題を見つけようとする場合、価値の少ない情報であっても、「課題に少しは影響を及ぼしているかもしれない」と考えてしまい、物事をいっそう複雑にしてしまうことがあるんですよね。

なので、誰しもがこのような思考に陥りやすいのですね。

もちろん私もその危険があります。

では、私は物事を複雑に考えないようにするために、どのようにしているのでしょうか?

◆ その1 大事なポイントを3つまでに絞る

ここからは、私のやり方ですので、全て正しいわけではないかもしれません。

ですが、仕事上結構上手くいっている事が多いので有効なやり方だと思っています。

私は、企画提案やプレゼンテーションの際、真の課題を多くて3つまでに絞ります。

それ以上の課題は、そもそも課題ではなく

  • 「困っていること」であって「解決すべきことでなかった」
  • 「個人的に困っていることであって、会社として困っていることではなかった」
  • 「困っていることの分析が不十分で、ただの現象を言っているに過ぎず、真の課題まで行き着いていなかった」

などということが、山ほどあります。

そもそも会社の課題がたくさんあったら、会社として経営できていませんから。

倒産しちゃいますから。

そうなっていないということは、ある程度は上手くいっているのですよ。

だということは、課題を見つける際に

「あれができていない」

「これもできていない」

などとできていないことを粗探しするのは課題の設定ではありませんよね。

ただのダメ出しです。

そして、できていない事をたくさん列挙できるということは、それだけ情報をたくさん持っているということでもあるんです。

これ自体は良いことなのですが、それらの情報の中でクリティカルに重要な情報もあれば、そこまで重要ではない情報もあります。

厄介なのは、会社の問題の解決を検討する際に、重要ではない情報までも関係があるからという理由だけで会社の問題に関連付けてしまいがちになるんですね。

そしてどんどん問題が大きく膨らんでいくという…。

そうすると、問題がどんどん巨大化して、分析がしにくくなったり、真の課題がすぐには見えにくくなるんですよね。

ですから、これらの玉石混交の状態から重要な課題だけを設定するなら、重要なものから多くても3つを目安に課題設定すべきでしょう。

そして、その3つを解決したら、会社の問題の8~9割を解決できるようなものを課題とすべきなんですよね。

1つの課題を解決することで付随する2~3の問題も一緒に解決できたら、こんなに効率の良い課題解決はありませんからね。

このように考えるには、ありすぎる情報から

  • 影響度が大きい情報
  • 真の課題に直結している情報
  • 時間軸で見て、「今着手すべき課題」「将来大きな課題になりそうな課題」

などを整理しながら課題設定するんです。

◆ その2 時間軸で検討する

上記の通り、時間軸で考えると、やるべきことをどこから着手すべきかがすぐわかります。

仕事には4象限で分類すると、下記の4つに分類できます。

  1. 重要で緊急な仕事
  2. 重要だが緊急ではない仕事
  3. 重要ではないが緊急の仕事
  4. 重要でもなく緊急でもない仕事

この4つのうち、どれから着手しますか?

スティーヴン・コヴィーの「7つの習慣」を読んだことがある人なら分かるかもしれませんね。

この中で、本当に仕事ができる人は、2番にしっかり取り組むんですよね。

1番は、やって当たり前なので、誰でもやります。

問題は、次に何をやるか?なんです。

3番は、実はやらなくても大して影響がない仕事かもしれないんです。

それに時間をかけることの損失をしっかり検討した方が良いですよ。

そして、2番の重要だが緊急ではない仕事は、いずれ重要で緊急にやらなければならなくなるんです。

それがわかっていれば、事前にしっかり準備しますよね。

新製品の開発などは、こういう仕事に分類されるでしょうね。

会社の将来に影響する仕事だからこそ、しっかりやらなければならないんですよね。

だから仕事ができる優秀な人は、2番の重要だが緊急ではない仕事を大切に確実に着手するんです。

◆ その3 仕事が出来る第3者に客観的に評価、アドバイスしてもらう

私は重要な仕事ほど、必ず多くの人に自分の仕事を見てもらいます。

そして評価してもらって、ダメ出ししてもらったり、アドバイスしてもらっています。

こういう事をやると、

  • 自分のプレゼンテーションのスライドや話す内容に抜け漏れがあることに気が付いたり
  • 論理的ではない点が明らかになったり
  • もっと相手に伝わりやすい言い回しが出来るようになったり

と、良いことだらけです。

他の人からの評価を恐れずに受けてみましょう。

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