今回は(も?)、自戒を込めて書きますね。
言葉は、シンプルに使った方が伝わります。
それは、シンプルに表現した方が、相手に余計なことを考えさせなくしたり、相手に引っ掛かりを作らなかったりすることで、こちらが言いたいことがよりダイレクトに相手に伝わるからです。
◆ 高橋のコミュニケーションは、どうなの?
私は、相手に正しく理解してもらおうとするあまり、ついつい言葉を足していってしまい、結果として私の話がわかりにくくなってしまうことがあるんですね。
また、物事を時間を追うようにして順番に話すこともあります。
これによって、時には相手の理解をスムーズに得られないこともあります。
これは非常にもったいないことであり、また、話し相手のお時間を無駄にしてしまう罪でもあります。
ですので、この私のコミュニケーション上の悪癖を直そうとして取り組んでいます。
◆ 高橋が改善しようと取り組んでいることは?
具体的に私が取り組んでいることは
- コラムやメールの文章も、話も、とにかく短くする(かっこよく言えば、大藪春彦やヘミング・ウェイのようなハードボイルド・スタイルの文章ですね)
- 言いたいことや結論から先に言う、書く
と言うことです。
一生懸命やっていますが、効果は出ているのか?
それは皆さまの方がよくご存知のことと思います。
(「伝わりやすいよ〜」とか「回りくどくてよく分かんない…」とかあったら、おっしゃっていただけると嬉しいです)
◆ なぜこのことに気がついたのか?
このことに気がついたのは結構前(それこそ20年くらい前です…)です。
そして、最近特に強く思ったのは、海外のビジネス本などを読んだ時です。
例えば、トマ・ピケティの21世紀の資本という本があります。
この本は、私にとってすごく長いし、読むのが疲れるしという本でした。
その時、
「なんでそうなんだろう?」
と思ったんですね。
そう思って読み返すと、この本は一文が長いんです。
しかも、文章の構造を理解しながら読まないと、
「ん?この指示語はどこの言葉を指しているんだ?」
と読みながら自分が行方不明になっちゃうんですね。
でも、この本は、ネタばれになりますが
- 21世紀は、金持ちがもっと金持ちになり、貧乏はもっと貧乏になる
という事を言いたい本なんですね(「もっと他にも有益な見解があったぞー!」というご指摘も、お待ちしております)。
ということはですよ、この本のお値段や600ページ以上のボリュームとの兼ね合いはどうなんだ?という気になるわけですよ(実際は上記の結論に至るまでの詳細な説明があるから600ページ以上のボリュームになったのでしょう。
でも、一文をもっと短くすれば全体ももっとコンパクトに執筆でき、読み手も読みやすくなったのではないか?とも思うわけです。)。
◆ 話や文章が長いと・・・?
元来、本や話は、文章が長く複雑になるほど理解が難しくなります。
会話もそうです。
スピーチでも、聞いている側に
「あの人話が長いなぁ…」
と思わせてしまうのは、一文が長く、いつになったら文章が終わるのかがわからないからです。
例えば結婚式のスピーチで、
「新郎の〇〇君は、我が社期待の人材で、毎日たくさんの業務をこなしながら新人を育成し、リードしてくれる一方、私の右腕としても大変頼りになる仕事ぶりで、先日も私が突然のクライアント対応に追われた時も〇〇君が率先してクライアントに訪問し、次々と解決してくれ、クライアントとの関係を一層好転してくれるという見事な働きぶりで、社長も一目置いてくれている人材なのですが、まさかそのように忙しい〇〇君がこんなに素敵で綺麗な△△さんという生涯の伴侶といつの間に出会っていたのかが不思議でならず、人様とのご縁とはかくも得難く、何者にも代え難い貴重なものでございまして、新郎の〇〇君と新婦の△△さんには是非とも末長く暖かいご家庭を築いていただき、幸せな人生を送ってくれる事を大いに期待したいとともに、今後の〇〇君の我が社での一層の活躍も期待したいと考える所存でございまして、・・・」
などと続けば、聞いているこちら側は
「あの人、何が言いたいんだろう・・・」
と思われてしまうんですよね。
場合によっては、相手をイライラさせたりします。
似たような場面で、仕事でのプレゼンもあります。
上記のような長い一文で自社の製品説明をしてしまったら、聞いているお客様側は
「この人は何を言っているんだろう?」
と思ってしまい、紹介した製品が採用されず、プレゼンが失敗するということもあります。
◆ 他にもある、長文のデメリット
前述のトマ・ピケティも含め、海外のビジネス本は、
- 本質は一言で済むのに、それを長ったらしい回りくどい言い方で表現する本が多い
- それらの本は、膨大なページに膨れ上がってしまい、読む方が途中でついていけなくなったり、理解が苦しくなり、結果として脱落する
ことがあります。
読み手側の本を読む力がないということもあるのでしょう。
とはいえ書き手だって読み手に伝えたいことがあって本を書いているわけですから、そりゃあ書き手の考えや思いは伝わった方が良いに決まっています。
ならば、読み手に伝わるように書いた方がお互いにお得というものでしょう。
読み手に
- この本を買って良かった
- 内容が理解できた
- 自分にも活かせそうだ
- この著者の考えに共感できる
などと思ってもらったら、書き手の次の著書執筆の機会も出てくるかもしれません。
なので言葉は、文章も、メールも、本も、話も、スピーチも、プレゼンも、もっと短くコンパクトにすることが、伝わりやすくなるポイントの一つです。
と言いながら、このコラム、長かったですか(汗)?
ごめんなさいm(_ _)m
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