製品やサービスのメッセージが伝わらない根本的な原因は、メッセージングの考え方が“プロダクトアウト”だからです。
現在、多くの一般消費財では
“いかにユーザーに心地よく、自社製品の情報を受け取ってもらうか?”
“いかに広告くささ、売らんかなの雰囲気、ユーザーが感じる居心地の悪さや製品の押し付けを排除できるか?”
を徹底して考え抜いたマーケティングコミュニケーションが行われています。
それを支える考え方やシステムの仕組みがDX(デジタルトランスフォーメーション)ですね。
最近のWeb広告やCMなどで話題になったりヒットにつながったクリエイティヴは、みな上記の2点を重視して作りこまれています。
そのクリエィティヴを、話題になるように情報提供し、FacebookやTwitter等のSNSを経由して口コミを発生させています。
それを消費者の実際の購買行動につなげ、その行動データをスマートフォンのアプリやセンサーなどから得られる行動データとして収集し、分析し、次のマーケティングにつなげていきます。
これがDXです。
また、製品やサービスのマーケティング担当者が“宣伝会議”などの無料セミナーなどに学びに来ないということも、弊害の現れの一つかもしれません。
マーケティングコミュニケーションに対する意識があまりないということなのでしょうね。
また、それ以外にも“営業として実績を伸ばした”といった理由で製品のマーケティングを担当するという場合は、その人事異動の背景も関わってくるかもしれません。
営業の頃の成功体験を踏まえ、
- 顧客向けのメッセージをPush戦略でしか考えられない
- 「クロージングしなければ製品が売れない」と信じて疑わない
マーケティング担当の方、営業部長や支店長は大変多いですからね。
このような方々は、
- ご自分が買い物をするときに、どのような接客をされたら製品やサービスを買いたくなるか?
- 逆に、絶対に買わない接客には、どのような接客があるのか?
等を考えないようですね。
この点を考えるだけで、営業への指導・育成が全く違った内容や取り組みになるんですけどね…。
また、そのような方々とお話ししていますと、次のようなコメントが出てくることがあります。
「顧客にメッセージを伝えるのに、新型コロナの影響があって営業が顧客に会えない。」
→では、営業が顧客に会いやすくする工夫を考えたらいいのではないでしょうか?
もしくは営業を介さず製品やサービスの価値を伝えるメッセージを伝える方法を考えたらいいのではないでしょうか?
「営業の商談スキルが低く、ただクロージングして終わっている。もっと顧客にビジネス上の課題をディスカッションしてほしいのに。」
→ならば、そのような話ができるように、営業に対して営業活動をサポートする資材を作ってみたらいいのではないでしょうか?
また、そのような営業の指導する上長向けに指導用資材を提供してみたらいいのではないでしょうか?
もしくは上長の部下育成スキルを高めるトレーニングや研修を企画・実行されたらいいのではないでしょうか?
「研修やトレーニングはその部署の仕事だから。」
と身構えてしまうマーケティング担当者は多いですが、結局そこが変わらなければ、その製品やサービスの売り上げは伸びないんですよね?
困るのはマーケティング担当者なんですよね?
改善の取り組みをなさらないのは、自分が困ることを、他人(他の部署)のせいにしているだけなのではないでしょうか?
であれば、
- まずは研修やトレーニングの担当部署に、トレーニングの依頼をする
- もちろんご自身もしっかりそこに関わる、できれば担当の役割も持つ
- どのように改善できれば将来どのようなリターンが得られるかを予想し、改善プランを提案するか
を真剣に考え、取り組むことが最後にはご自分の担当製品の売り上げアップにつながるんだと思います。
どんなことでも、成果が出るかどうかは、
“その人本人がどのような立場を取って取り組むか?”
というその人の在り方次第で決まるんですね。
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