皆様は、ごちそうを食べるとき最初に食べますか? それとも最後に食べますか?
皆様お一人お一人に好みがあると思いますが、学問的に“どちらの方がより高い満足度が得られるか?”を検証した人物がいます。
アメリカのプリンストン大学の教授ダニエル・カーネマンです。
- “人間は必ずしも合理的な意思決定をしない”ということを証明した行動経済学
- “人間は年収900万円を超えると、感情的幸福は年収に比例しなくなる”ことを証明した
- あらゆる経験の快苦の記憶は、ほぼ完全にピーク時と終了時の快苦の度合いで決まるという“ピーク・エンドの法則”を発表した
ことで知られる人物で、2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。
冒頭のごちそうを最初に食べるか?、最後に食べるか?をピーク・エンドの法則で見ると、ピーク時と終了時の快苦の度合いで決まることから、最後にごちそうを食べた方が満足度が高くなることになります。
もちろん、最初から最後まで好きなごちそうを食べることも満足度は高いですね。
では、このピーク・エンドの法則を営業の商談に置き換えて考えてみましょう。
ここでは、商談の評価を
- “営業が顧客に提供する情報の質の高さ・対話の時間の居心地の良さ・満足の度合い”
と定義します。
このように見た時、ピーク・エンドの法則にしたがって顧客が商談に最も満足するためには、最後に何を持って来たらよいでしょう?
顧客の趣味の話題、新しく開店したおいしいお店の情報など、顧客が喜ぶ情報はありそうですね。
営業のコミュニケーション能力が優れていることによって、顧客が対話そのものを楽しむということもあるでしょう。
では逆に、顧客が商談に最も不満なのは何でしょうか?
- コミュニケーション能力が低く、話がかみ合わず、ストレスがたまる
- 話の途中で楽しく趣味の話ができたが、最後は聞きたくもない商材の話になってしまい、購入を頼み込まれてしまい、つまらなくなった
- 興味ある商材について質問したところ、営業が全く答えられず、興味がそがれて面白くなくなった
などがありますね。
特に営業による自社製品の契約・購入依頼が度を過ぎて顧客に嫌われ、その後ビジネスが先細ったという事例は、枚挙にいとまがありません。
顧客との会話全体をどのように組み立て、一番最後に何を持ってくるか?
その準備をしっかり取り組むことが、とっても重要ですね。
自社製品のクロージングをせざるを得ない場合もありますよね。
重要なことは、依頼するときに
- “相手が依頼されていなくても、「これ、採用したいな」「使いたいな」などと思ってくれる言い回しをする”
という工夫です。
こういう言い回しは、コーチングなどでも学べますから、ぜひ皆様取り組んでみてください。
あなたの今日の商談、顧客はどれくらい満足してくれましたか?
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