前回に引き続き、うまくいく仕事の本質を一緒に見てまいりましょう。
前回は、
- うまくいく仕事の本質には、主に2つのポイントがあること
- 仕事全体のプロセスを理解し、担当者全員がきちんとコミュニケーションを取ることで、仕事をスムーズに進めることができること
を見てきました。
残りの1つは、なんでしょうか?
◆ ②「仕事は、準備で成果の8割が決まる」ということを理解して、準備に余念がない
これは以前仕事でご一緒させていただいた、大学病院の教授から教わりました。
今では著名な大学の教授ですが、私が仕事させていただいたときは助教授(当時の呼称です。准教授って役職名に変わる直前でした。)でした。
また、その助教授は、当時から手術が上手いことで非常に著名でした。
ある時、たまたまそのことを助教授にお尋ねする機会がありました。
そうしたら、その助教授は
「手術は、準備で8割は決まる。残り2割は手術そのもので決まる。手術室に入ってからが勝負じゃないんだ。
手術する前に、患者さんについて丁寧に正確に身体所見を確認し、術前検査もし、手術の手技について論文等も読み直し、場合によっては練習もする。
手術中に違う術式に切り替えることになっても対応できるように、他の術式の手技も勉強しておく。
手術室の器具も完璧に配置して、いつ何が起こっても対応できるように手術用の機材や血液も準備し、『もう、何か起こっても必ず対応できる』というくらいの準備して、それから手術に臨むんだ。
だから手術が上手くいくんだ。」
と教えてくれました。
また、別の企業のプロダクトマネージャーさんも、似たようなことを教えてくれました。
「自分の担当製品のマーケティングの予算を上長に交渉するときは、とにかく準備をしっかりやる。
上長に伝えたい、自分がやりたいことはスライド4~5枚で書けるが、上長から
- なぜその企画をやりたいのか?
- なぜその金額な必要なのか?
- その根拠は何か?
- その結果どれくらいの効果が期待できるのか?
などを質問されたら、キチンとその説明をしなければならない。
その裏付けのデータや分析結果などと全てスライドのバックアップに用意しておくと、スライドが100枚以上になることもある。
でも、それくらいやらないと、上長から予算はもらえない。」
この2つの事例には、
- 結果を出すために、徹底して準備をする
- あらゆる場面を想定し、対応できるようにしておく
という共通点がありますね。
この共通点は、私もこれまでの20年以上のビジネス経験から、全くその通りだと同意します。
「じゃあ、どこまで準備すればいいのか?」
という疑問が出てくると思いますが、これはその仕事の内容によるので一概には言えないでしょう。
ただ言えるのは、
「その仕事で結果を出すために、必要な準備は全てやる」
ということでしょうね。
それは際限が無い取り組みかもしれませんが、それくらい仕事に取り組んで、どんどん結果を出し続けたら、周囲があなたを放っておかないでしょうね。
昇進・昇格・昇給、高評価の獲得、ヘッドハンティングによるキャリアアップなども夢では無いでしょう。
最近私も、私自身の仕事の準備不足が見えることがありますので、自戒を込めて、今後改善します…。
次回は、徹底した仕事の準備や市場分析、企画立案の場面での対話がどのような化学反応を起こすのかを一緒に見てまいります。
コメント