私は仕事柄、いろんなお客様や友人の皆様からご相談を頂戴することが多々あります。
また、そのご相談の延長から、仕事の提案を求められることもたくさんあります。
大変ありがたいことです。感謝の思いでいっぱいです。ありがとうございます。
私は、これまでそのような経験を積み、実際にコンサルティングや研修などを実施したことから見えてきたことがあります。
それは
「課題解決は、より高い次元からモノを見ないと解決できない」
ということです。
今回は、この点を皆様と一緒に見てまいりましょう。
◆ 「より高い次元からモノを見る」とは、どういうことか?
実際の私の事例をご紹介します。
その企業は外資系で、日本、アメリカ、ヨーロッパ各国に拠点を構える企業です。
その企業の日本法人のキックオフミーティングに、私ともう一人のビジネスパートナーの2人が招かれ、日本全国の所長と営業担当者全員にトレーニングを提供しました。
結果、そのトレーニングは大成功で、所長や営業職も大喜びいただきました。
と同時に、その企業の課題も明確に浮き彫りになりました。
その点をその企業の社長にもお伝えしたところ、その内容に感激された社長から
「会って話をしたい」
という連絡をいただきました。
後日、その社長に会って話し合ったところ、我々には諸般の課題の根源が明らかにわかりました。
それは、
- 社長が自社しか見ていない
ということでした。
「社長なんだから、自社の売上等に責任を持つのが当たり前で、それの何が悪いの?」
と思われる方も多数いらっしゃると思いますので、もう少し深く解説しますね。
- 社長が自社しか見ていない
というのは、例えば船で言えば、
- 船長が自分の船の中しか見ていない
ということと本質的に同義です。
船長が船の中しか見ていなかったら、船はどうなりますか?
船の外で行き先の天候が荒れ狂っているとしたら、その中に突っ込むのですか?
突っ込まざるを得ないのなら、どのような準備をして突入するのですか?
船内しか見ておらず、船外の氷山に気づいていなかったら、その氷山にぶつかってしまうかもしれませんよ?
突然の浅瀬に船が乗り上げてしまうかもしれませんよ?
逆に、これらのことは、船長が常に船外を注意深く見ていれば事前に防げることでもありますよね。
このように、船長は常に自分の船の外を注意深く見守り、船が進むべき方向を指し示し、乗組員や乗客を安全に目的地まで導くことが大切なのです。
船長は、船員と同じように自分の船の中を見ていては、外の環境の変化に対応できないんです。
対応が遅れてしまうんです。
だから船長は、船員の誰よりも高いところから船外を見ることが大切なんです。
社長も同じなんです。
その企業の社員とそのご家族の人生を背負い、みんなが安心安全な人生を過ごせるように導いていくのが社長の重要な役目なんです。
自社の売上が気になるのは非常によく分かりますが、そこは部下の営業本部長やマーケティング本部長に任せればいいんです。
むしろ、社長は自分の言葉で、自社を取り巻く世界の環境について、その変化について、将来について、自らの言葉で語ることができる人でなければ務まらないんです。
それが具現化されたのが社是やMission & Visionなんですね。
◆ より高い次元は、どれくらい?
これまでお伝えしたように、船長が誰よりも早く外の環境を見て進む方向を決める(=経営戦略の意思決定)ことが重要です。
ですので、ビジネスでなんらかの課題を解決したければ、より高い次元からモノを見ることが必須です。
では、どれくらい高い次元(視座)からモノを見ればいいのでしょうか?
この視座は、高ければ高いほど、課題が解決しやすくなりますし、結果が出やすくなります。
現場を担当する営業者であれば3回級くらい上の所長や支店長、部長の視座があれば、相当たくさんの課題の早期発見と解決が可能でしょう(もちろん社長の目線があった方が良いですが)。
部長級の方であれば、社長の目線が欲しいところです。
では、社長ではどうでしょうか?
社長なら、経団連の会長くらいの目線で、業界・世界を見据えた視座が欲しいですね。
そうでなければ、船長として氷山を回避したり、目的地に安全に辿り着くことは難しいです。
ですので、繰り返しになりますが(大切なことですので)、この視座は、出来れば高ければ高い方が、その人の将来の成功に近くなることは間違いありません。
◆ 視座が高ければ、何がどう見えるのか?
視座が高いと、私のコンサルティングの経験上、課題が明確になったり、課題の解決法が簡単に見えるようになります。
場合によっては、課題と本人が思っていることが、私には課題ではないと見えることもあります。
よくあるのは、課題と現象を取り違えていることです。
そして、そのことをご本人がたが気づいていない、ご本人方が考えていないことを分かっていないという破滅的なケースもあります(ヨクマアソレデソンナコウガクナキュウリョウヲモラッテマスネトイイタクナリマス)。
そういうことが見えてくると、一瞬で真の課題が見えたり、それに対する打ち手の数が増えて考えられますし、精度も高まりますし、良いことだらけですよ。
より高い次元からモノを見ること、オススメですよ。
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