いつの時代でも、多くの業界で
- 上司は部下に指示するもの
- 部下は忠実にその指示を遂行するもの
というパラダイムが根強く、確実に残っているように感じることが、様々な業界の方々とお話していると多々あります。
組織を考えたときに、各自がばらばらのことをやっていたのでは組織が成り立ちませんから、指示系統は必要です。
しかし、そこに属する人が仕事をどのように捉えているか?で、その組織内での業務のスムーズさや、その組織の将来の発展性なども変わってくるというのもまた事実です。
転職して複数の企業での勤務経験がある私も、その会社の文化の中で様々な経験をしました。
仕事を割り振ったあと放置する企業もありましたし、人材の育成に一生懸命な企業もありました。
それらの中でも、伸びる組織というのはお互いがサポーティブで、
- “持ちつ持たれつ”
- “お互い様”
- “困ったときは助けあう”
などの文化が根付いている組織ですね。
逆に、仕事を与えられるとその仕事をこなすものの、それ以外のことは興味関心が無い人もいます。
それで業務に支障が無ければいいのですが、時として、組織全体の仕事の進捗に影響を出してしまうこともあります。
こうなると、組織作りに非常に大きな問題となってきますね。
しかし、実際にはどこの職場にも
- これは、私が依頼された仕事ではありませんから
- 私の責任の範囲を超えていますから
- 指示をいただいていないので知りません、関係ありません
と、他のメンバーと協調しようとしない人がいるものです。
成果主義の悪弊もあるのでしょう、“何かミスをして責任を取らされたり評価を下げられるのが嫌だ”という意識、すなわち保身ですね。
こういう方々にはいろんな方がおられるのだろうと思いますが、何人もの方々とお話しているとちょっとした傾向のようなものが見えてくるように考えています。
何かというと、
- 言われた事をやっていれば、それでいい
- ミスしなければ評価を下げられることが無い
- とりあえずこのままこの仕事を続けられれば、それでいい
- 将来のこと? う~ん、考えてません
というような考えを持っている、もしくはそのような発言が見受けられるということです。
経営者の視点では、社員と会社のどちらを大切にするかといえば、会社です。
社長が
- 「社員は宝」
- 「わが社は人材育成に力を入れる」
などといったとしても、業績が悪化し、コストカットをしてもその日の資金繰りにさえ苦しむようになったら、やることは人件費のカット、人材の流出です。
特に外資では、
- 会社は、株主のもの
という考えが非常に強いため、株主に還元する配当を如何に増やすか?が経営者の関心ごとだったりします。
逆に、株主に配当が払えない経営者は、株主から解雇される憂き目に遭います。
それが嫌なので、外資の経営者は如何にして
- 自社の売上を伸ばすか?
- 自社の利益額を増やすか?
- 業績が悪ければ、如何にして自社を存続させるか?
ということに非常に興味関心を示します。
「うちは内資だから・・・」
という方でも、自社が内資にも拘らず業績悪化を理由にリストラをする場面に出くわすことがあったことと思います。
特に製薬業界では、非常によく名が知られている大手企業でも、ここ数年は公式/非公式問わず人員の調整がなされています。
このような状況下で、「言われたことだけをやっていればそれで良い」とする可もなく不可もない人材が生き残る可能性は低くなっていくことが考えられます。
経営者からみたら、自社に残したい人材は
- 稀有な才能を持つ人材
- 有能であるために業界に名が知られた人材
- 様々な業務を任せられる人材
- 売上や利益金額を伸ばしてくれる人材
- チーム全体の生産性を高めてくれる人材
- メンバーや組織の発展に力を発揮してくれる人材
- 時間当たりのコストに見合った成果を出してくれる人材
- 将来の世の中や、世の中の変化に敏感で、能動的に様々な企画提案を自社にしてくれる人材
等です。
こういう人材になっていないと、これから先も、企業で生き残るのは厳しいかもしれません。
そうならないために、自分自身の能力を高め、成長し続けるしか打ち手はありません。
自分自身の能力を高め、成長し続ける人の共通のキーワードには“主体的”、“能動的”、“プロアクティヴ”などがあるでしょう。
こういう言葉を常に念頭において、意識して仕事に取り組むだけで、自分の能力も周囲からの評価も高まります。
ビジネスの世界で生き残るためには、他にも取り組むべきことがたくさんありますが、まずは
- 常に何を意識して思考・行動するか?
をしっかりマインドセットしていきましょう。これがはじめの一歩です。
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