今回のコラムも、タイトルがズバリ答えです。
その答えを詳しく見ていきましょう。
◆ その1 真の課題を見つけられる人が少ない
これ、本当にそうなんですよね、残念ながら。
いくら大企業に勤めていようが、肩書きが重役だろうが、真の課題の発見はできない人はできません。
カスはカス。クズはクズです。
本人は課題だと思っていても、課題ではなく本人が困っているだけの現象を指していることがままあります。
私たちのような第三者が仕事でお客様と話し合っていると、こういうことは非常によく見えたりします。
なぜ私たちが見えるのかというと、見ている視座を変幻自在に変えるからなんですね。
私はお客様との議論の最中、その企業のコンサルティングをしていると、いろんなポジションに成り切って話を聞いています。
自分が下っ端だった時を思い出し、現場の担当者になりきって本社からの指示を受け取ってみたり、社長の目線で全社を見渡してみたり。
こういうことをやりながら、お客様の担当者の話を聞いていると、前述のように担当者が困っていることを列挙しているに過ぎないことも多々あります。
そういう時、私からその担当者に深掘りする質問を投げかけると、途端に考えが止まり、言葉を失う方も多いです。
思慮が足らないんでしょうね。
これは致し方ないこともあるんです、考えるトレーニングをすること自体少なかったりしますから。
だから、エグゼクティブ・コーチやコンサルタントが相手の考えをナビゲートして、真の課題に辿り着くんです。
また、もう一つ重要なことがあります。
「第三者である」ということです。
お客様の話や、組織変革のトレーニングの際、相手の話を客観的に聞いていると、相手がうまくいっていない時は論理的におかしいところが必ず見えてきます。
論理的に理屈がきちんと通っている人は、物事が上手く前進しているんですよね。
これは極めてはっきり分かります。
問題は、物事が上手く行っていない時に、そのことを担当者本人が気づいていないということです。
これは私自身にも当てはまることでして、多くの人にも当てはまります。
だから議論には客観的な視点が必要で、批判的吟味の姿勢が必要なんです。
そのためにエグゼクティブ・コーチやコンサルタントが求められるんですね。
でも、私は担当者を困らせるために質問しているわけじゃないんですよ。
担当者やお客様に勝ってもらうために必要だから質問しているんです。
担当者にもっと深く考えてもらっているんです。
特に大企業の担当者は、それだけの給料をもらっているはずですから、それなりのことをしてもらわないと、お客様も会社も担当者も先が無くなりますよね。
◆ その2 真の課題を見つけられる人は、人財として市場の価値が高い
その1にも関わりますが、真の課題を見つけられる人が少ないということは、人財の市場の価値が高いということに繋がります。
当たり前の話ですが、これはキャリア形成上見逃せないポイントです。
今や倒産した企業の平均寿命は23.5年です。
つまり、あなたの人生よりも、あなたの勤務先が先にダメになる可能性があるということです。
そのような場面に直面する場合、モノをいうのは「個人の能力がどれくらい高いか?」です。
真の課題を見つけられる人が倒産するような会社に居続けることが考えにくいと思う人もいるでしょうが、中には
- 今の状況をなんとかして良くして、業績を回復させたい
と思う志が高い課題を見つけられる人もいます。
このような人は、その志の高さが人財を求める会社の経営者にとって非常に魅力的に見えます。
よって、高く評価され、良い条件で迎えられたりします。
また、せっかくの高い能力を、倒産した会社では活かせなかったということも多々あります。
なので、真の課題発見ができる人にも運不運があるということかもしれません。
ですが、能力の高さは運不運ではないので、次の会社がスムーズに決まりやすいんですよね。
なので、食べていきやすいんです。
◆ その3 真の課題を見つけられる人は、要職を任せられる
経営者としては至極当然のことなのですが、仕事ができる人には重要な仕事を任せたいと思うものです。
- 自社の中の課題を瞬時に見つけ、直ちに解決してくれる人財
- お客様の課題を瞬時に見抜いて、提案を通じてお客様のお困りごとを解決し、対価を得られる人財
経営者というのは、このような人材は、何としても自社に迎えたいんですね。
そして、自社の成長に明らかに力になってくれると期待してるんですね。
真の課題を見つけられる人ならば、経営者の期待に答えてくれますから。
だから、真の課題を見つけられる人は、要職を任せてもらえるし、それに見合った条件を提示されるんです。
だから食べていきやすいんです。
◆ その4 真の課題を見つけられる人は、要職を任されることを通じて自らの能力を高めることができる
これも上記に繋がる話で、しかも当然の帰結ですね。
もう説明はいらないでしょう。
じゃあ、どうしたら真の課題を見つけられるようになるのか?
そのヒントは上記のその1にも書きましたが、それ以外にもあります。
それは次回に繋げます。
コメント