様々な営業の方々にお会いすることが多いのですが、皆様上司からの数字のプレッシャーが半端ではないですね。
しかも、その営業の皆様がプレッシャーでつぶされそうになって、自信を失い、周りを見失い、人がどのような気持ちになればモノを買うようになるかという消費者の気持ちを忘れてしまっておられます。
能力が高い営業の方々のはずなのに、大変残念なことです。
でも、はっきり申し上げて、そのチームの売上が芳しくないのは、“間違いなくそのチームのリーダーの責任”です。
なぜなら、“その程度の実績しか上げられないチームにしか、部下を育成できなかった結果”が、今の実績だからです。
今の日本のビジネスを取り巻く環境は、今の部長・支店長・課長等が営業だった頃には想像もつかない、もしかすると全く分からない世界かもしれません。
だからかと思いますが、営業の方への研修やレクチャー、コーチングセッションの際、
「新型コロナで顧客に訪問できず、これまでの活動が出来なくなってきた今、上司から今後の営業活動に対して、適切なアドバイスをもらったことがない。」
とおっしゃる営業さんが何人もいます。
飲食やゴルフなどがもはや武器ではなくなった現在、部長・支店長・課長等も営業に対する適切な指導ができなくなってしまった可能性も考えられます。
いずれにしても、上司が指導できないものを営業に数字のプレッシャーとして与えても、営業が可哀想なだけです。
と同時に、上司として無能であることをひけらかしてしまっています。
このような状況を打破するには、まず部長・支店長・課長等が現場を回った方がいいでしょう。
それも、営業との同行ではなく、ご自身が一人で既存顧客へのフォローアップから新規開拓まで全てやってみることをお勧めします。
しかもその際には、名刺には社名とご自身の名前、連絡先のみを記し、肩書を外しましょう。
肩書はとても強力で、名刺の肩書に“部長・支店長・課長”が入っていれば、顧客も社会的な儀礼としての対応をするものです。
顧客が日頃、営業にぞんざいな対応をしていたとしても、“部長・支店長・課長”を相手にするときには、それなりに丁寧な対応を配慮することでしょう。
それでは、いつも営業がどのように大変な思いをしてるのかがわかりません。
逆に、肩書がなくても、それでも現場で通用する仕事ができるならば、そのような部長・支店長・課長等は、営業に対して今の時代に即した指導ができることでしょう。
このような地道な取り組みなしに、ただただ数字だけを追うのは、営業から見た時に
「部長・支店長・課長等は、自らの保身に走っている」
としか見えないものです。
そのようなリーダーシップでは、競合に勝つことはできないのです。
そして、部下がついてくることはないのです。
そして営業の皆様、今期の数字が仮に目標に対して未達に終わる可能性があったとしても、悲観することはありません。
来期確実に目標を達成するために、今のうち得意先としっかり信頼関係を構築する仕事をしましょう。
そこにはヒューマン・スキルも求められますから、営業力を高めるには信頼関係の構築は良いトレーニングになります。
結果も出やすくなりますね。
また、いずれ得意先への企画提案など営業としての腕の見せ所という場面も出てきます。
その時に備え、虎視眈々と武器を磨き続けましょう。
無理なクロージングをするくらいなら、顧客が抱える課題を仮説立てし、それをぶつけてみる方がよほど建設的であり、顧客に受け入れられる可能性が高いです。
何でもかんでも売れれば良しとする時代はとっくに終わっているのです。
にもかかわらず、ただクロージングに終始する活動はナンセンスです。こんなの、営業ではありません。
コメント