前回に続いて、製薬業界や金融業界(保険や証券も含みます)のプロダクトマネージャー(製品やサービスのマーケティング責任者)についていろんな観点で見てまいりましょう。
前回同様、少々毒を吐きますが(「いつもだろ」というツッコミは、無しって方向で)、お付き合いいただければ大変ありがたいです。
特に、将来プロダクトマネージャーになりたいと思っている方は、前回・今回の私のコラムで、ぜひキャリアのチャンスを狙ってください。
勉強しないプロダクトマネージャーがたくさんいますので、実力あるビジネスマンの方にとっては、大いにチャンスの時期ですよ。
◆ 前回のおさらい
前回は、
- 従来(約10年くらい前)に比べ、現在のプロダクトマネージャーは、その能力に疑問を感じる人が増えてきた
- ざっくりいうと、人の気持ちを動かすのが「マーケティング」
- マーケティングのテクニックを使えても、人の気持ちを動かせなければ意味がない
ということを一緒に見てきました。
特に
「人の気持ちを動かすのがマーケティング」
ということは、ぜひ覚えておいてくださいね。
◆ 金融機関のマーケティングは、上手くいっているのか?
毎日テレビで流れている金融業界のCMをみて、あなたのメインバンクのCMのキャッチコピーを言えますか?
言えない人が、かなりいるのではないかと思われます。
そのための調査とかしていませんが(そういうことをしても時間とお金の無駄なので)、顧客もそうでない方も、その銀行に対しての認識がその程度の認識なら、その銀行のCMもメッセージも、マーケティング全体が失敗しているということです。
TVCMの制作費は億の単位に登ることもありますから、この費用が無駄になるのは銀行の経営上影響は出そうですよね。
いくらメガバンクといっても、今では人件費削減に着手しているところもありますから。
私のメインバンクも、支店が統廃合されて縮小しています。
それくらい経営状況が厳しい最中、上手くいっていないマーケティングに億単位のお金を使うって…。
人の気持ちがわからないということは、単にマーケティングが上手くいかないだけにとどまらず、このような損失を出して勤務先に悪影響を及ぼすことすらあるということですね。
◆ 他の業界と、金融業界・製薬業界は、何が違うのか?
金融業界・製薬業界が、他の業界と比べて決定的に違うのは、
- 社員の教育研修にお金、時間、労力、人を大量に投入している
- その割には、マーケティングや営業に有益な「人の気持ちや人間そのものを探究する、機能する研修やトレーニング」を実施している企業は、少ない
- ビジネスモデルが数十年間ほとんど変化しておらず、営業職を介して財・サービスを売っている
- その売り方も、数十年前からほとんど変わっていない(まず信頼関係を築き、その上で自社の製品やサービスを売る など)
- 売り方に、革新性が見られない
- 従来の価値観で、いまだに仕事をしている
- 市場分析や顧客との取引といったデータが、非常に豊富にある
- 実行したプランの振り返りや分析が、不十分である
といったあたりです。
他の業界の方とお話ししていると、多くの方が
「製薬業界・金融業界は、非常に恵まれた環境である」
とおっしゃいます。
私もそう思います。
ですが、当の製薬業界や金融業界は、危機的な状況になってからようやく変化しはじめていますね。
でも、相変わらず人の気持ちに興味関心が薄いようで、小手先の
「これをやったら売れる」
というような、怪しい研修に手を出している企業が多いです。
長くなってきましたので、次回に続けます。
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