仕事柄、いろんな企業のマネージャーさんやコンサルタントさんに会うことがあるのですが、彼らは本当に多忙ですね。
見てますと、彼らはやることが多いので、とにかくいろんな業務を短時間で捌いています。
その姿は思わず
「さすがマネージャー(もしくはコンサルタント)だなぁ」
とつくづく感心してしまいます。
ただ、2つほど気になることが・・・。
- 自分が楽に仕事を捌けるような仕組みを作れていないのでは?ということ
- 部下からの報告やレポートを「ポイントは?」と質問し、重要なことだけを知ろうとすること
なんですね。
上記の1.については個人の仕事のスタイルとか、業務フローを作るセンスの有無とか、その組織や会社の都合等があると思いますので、今回は割愛します。
今回取り上げるのは、上記の2.です。
部下の報告やレポートに興味があったら、マネージャーは「ポイントは?」って、言いますかね?
部下の話のポイント以外に興味が無いから、「ポイントは?」っていうんじゃないんでしょうか?
部下だって、
「このマネージャー、きっと自分や自分が任されている仕事に興味が大して無いんだろうな・・・。
だからいつも『ポイント』しか聞かないんだろうな・・・。」
と思えば、そういう態度のマネージャーに対して信頼や尊敬の念なんて持ちませんよ。
自分を“雑に扱っている”と感じさせる相手に、好感を持つのはよほどの酔狂です。
部下が、
「マネージャーはいつも、自分のレポートを斜め読みしてるからな・・・。」
と思えば、レポートの作成だって手を抜くかもしれません。
そういう仕事の取り組み方をしているから、部下に愛想をつかされたり、正しい情報が伝わらなかったり、部下が転職したり、組織が成果を上げられないんじゃないですかね?
組織に成果を上げさせられないマネージャーは、マネージャー失格です。
報告内容やレポートの行間にもしっかり目を配り、部下の話に丁寧に耳を傾け、部下からも学ぼうとする姿勢のマネージャーなら、そのレポートからマネージャー自身が学ぶことがたくさんありますし、マネージャー自身の成長にもつながります。
部下だって、正確に丁寧に報告しようと思うものです。
部下がそう思えば、自然と報告やレポートも正しい情報や詳細な背景を踏まえた精緻な内容になっていきます(レポートの書き方で分かりやすく書く書き方もありますね。それを部下に丁寧に教えることもマネージャーの仕事です。)。
マネージャーも、日々たくさんの資料を読んだり作成したりするなら、速読のトレーニングを受けたり、たくさんの仕事を大量に捌くための創意工夫やトレーニングをして、自分の作業効率を高める努力をしても良いはずですが、私は今までマネージャーで速読を実に付けたという方に1人しか会ったことがありません。
自分自身の時間の使い方も工夫できないマネージャーが多いように思われます。
現在の多くの企業の喫緊の課題は、“生産性の向上”であるにも関わらず、です。
部下のレポートからも学び、本気で自分の能力を高めようと思うマネージャーは、あまり見かけません。
マネージャーの仕事に直結する技術や学びであっても、本気で学び、自分の能力を高めようとするマネージャーは、少なそうです。
結局、組織のマネージャー次第で、その組織のカラーも、組織が上げられる成果の大きさも決まるんです。
経営者ならまだしも、部下数人程度を擁するマネージャーが、偉そうに経営者のごとくエレベーターピッチの真似事ですか?
マネージャーの、その仕事のキャパシティや人物としての人柄や器の大きさがその程度だから、仕事がいっぱいいっぱいになってるんじゃないですかね?
チームのメンバーと一緒に仕事をしている時間が長いマネージャーなら、ある程度の気心が知れた状態で、阿吽の呼吸で仕事ができるでしょうが、チームを立ち上げて間もなかったり、チームのメンバーと長く仕事しているにもかかわらず仕事が効率的に進められないのは、やはりマネージャーに責任があるんです。
部下の責任じゃないんです。
部下を育成できない、部下が自発的に仕事に取り組めるようにしてあげられないマネージャーの責任なんです。
マネージャーが、
「部下や部下の家族も、マネージャーである自分がしっかり守る!」
「部下自身が、何があっても家族を養えるよう、ビジネスマンとして能力を高めることを手伝う!」
などという気概を持って、マネージャーとしての立場を取って、正しい在り方で仕事をすれば、組織は成果を上げるんです。
だからマネージャーは、部下の責任にする前に、まずは自分のマネージャーとしての在り方を見直した方が、組織として結果が出ますよ。
本気で立場を取って、本気で取り組んでいる人は、自然と結果が出せるんです。
組織に価値を出していますか?
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