今回の投稿は、自己啓発に熱心なMRの方々、ビジネスパーソンの方々向けです。
しかも、前提条件として
“自ら進んでセミナーを受ける方々向け”
です。
世の中には様々なセミナーがありますよね。
自己啓発系、ビジネス系、マーケティングなど業務に直結するスキル系などなど、平日・土日問わず、日本のどこかでは必ずセミナーが開催されています。
中にはとても有益で、自分自身が生まれ変わったかのように、たくさんの気付きが得られたり、翌日からすぐに使えるテクニックを学べるセミナーもありますね。
一方、“パッション鼓舞系”といいますか、“モチベーション鼓舞系”のセミナーもあります。
講師が
「みんな、全力でがんばろう!」
と激アツなトーク全開で、聴衆の気持ちが揺さぶられ、聞いている聴衆側も
「そうだ、みんなでがんばろう!」
という雰囲気になるセミナーですね。
企業の成績優秀者の表彰とかも、同じ意図で企画してますよね。
成績が良かった社員を表彰することで、受賞できなかった社員に「ちくしょう!次は俺があそこに上ってやる!」と奮起を促すという意図ですね。
これまでの私のセミナー講師としての経験から申し上げますと、またセミナー参加者としての経験上、こういう聴衆のパッションやモチベーションを刺激するやり方は、残念ながら効果が持続しないことが多いようです。
半減期が短いというか、せっかくセミナーで
「よし、やるぞ!」
という気持ちになっても、その気持ちが3日も持てば良い方で、1週間持ったら奇跡に近いですね。
ほとんどの方は、翌朝には
「ああ、いいお話を聞いたなぁ」
で終わってしまっているのではないでしょうか(私の周りにそういう方が多いのは、偶然ではないような気が・・・。)?
少なくても、“その人の成長に役立つ”という観点では、機能していないセミナーが多いですね。
パッションやモチベーションを刺激するセミナーが機能しないのはなぜか?というと、いくつかの理由が考えられそうです。
例えば、
● 講師のパッションやモチベーションは、確かに聴衆の心を揺さぶるが、それを持続する仕組みがない
● パッションやモチベーションは人間の成長に欠かせないが、同じくらい重要な他の技術の話が抜け落ちている
● 仕事などで成果を挙げるためには、パッションやモチベーションだけでなく、
1.本業から雑学までの幅広い知識
2.きちんとしたビジネスマナー
3.意思疎通を思うままに図ることができるコミュニケーションのセンス
4.IT等の様々なスキル
5.笑顔や人柄などのヒューマンスキル
6.素直さなどの性格
7.責任感の強さ
8.積極的な仕事への取り組み
9.大きい仕事を任せられる信頼感
10.提供した価値に見合った対価(請求金額)を回収できるキャッシュフローの管理能力
11.スケジュール管理能力
12.複数の仕事を管理できるプロジェクトマネジメント能力
13.複数のステークホルダーとの交渉力
14.クライアントの問題をきちんと解決できる能力
15.環境の変化に適応できる柔軟な姿勢・思考と、様々なものへの興味関心の高さと、吸収する貪欲さ
16.学んだことを素直に実行し、評価し、更に磨き上げ向上する能力
など、いくつもの能力が必要であるが、これらがパッションやモチベーションのセミナーではきちんと扱われていない
等があげられるでしょう。
特に、上記の16個の能力は、仕事で成功するためにはいずれも欠かせない能力ですから、これらの能力が満遍なく高いレベルで、バランスよく備わっている必要があります。
ここを見落としてはいけないのです。
セミナーでたくさんのことを学ぶだけでなく、パッションやモチベーションを刺激してもらうだけでなく、実務に活きる学びも得て、実行し続けることが重要です。
多くの知識人等が指摘している通り、これまでの20世紀と違い、これからの時代は“人が機械に置き換わっていく”時代です。
本当に営業として、ビジネスパーソンとしてこれからの時代を生き抜いていきたいのならば、“機械にはできないこと”、“人じゃなければできないこと”に特化して、自分を磨き続けるしかありません。
それはヒューマンスキルかもしれませんし、交渉力かもしれません。上記の16個の能力全てかもしれません。それ以外かもしれません。
いずれにしても、自分自身の能力を高める以外に、生き残る道はないと思ったほうが良いでしょう。
これからは人口減少が加速しますから、企業のポストもこれまでより増えることはなさそうです。
だとすると、ほとんどの人が現在のポストのまま、昇進は極めて優秀な一部の人だけ、という事態が起こりえます。
このような状況では昇給も期待できなくなっていくかもしれません。
だからこそ、今以上に収入を増やしたい、キャリアアップを図りたいという方こそ、自分で自分を磨き続ける必要があるのです。
その際、学ぶのはパッションやモチベーションを高めるセミナーだけでなく、実践的な能力開発もバランスよく学ぶことが望ましいのです。
コメント