世の中とは広いもので、いろんな方々がいます。
営業の方々が集まる会、マーケティングの方々が集まる会などに私も混ぜていただくと、ビックリすることが時々あります。
先日マーケティングの方々が集まる会に混ぜていただいたときのことです。
ある企業の若いマーケターの方と話していると、私自身の中で相手に対していろいろと引っかかるものを感じたんですね。
その方は自信満々で、
「ウチは、究極的には1 to 1 マーケティングをやりますから。今はまだそこまで行けてませんが。」
とか、
「やっぱり、CRMのデータをSFAに連携させて、CLMに使えるスライドを出せるようにして・・・」
とか、知ったようなことを滔々と話していたんですよね。
ただですね、私の胸の奥がずーっとモヤモヤしていたんです。
「この人、結局、だから何なんだろう?」
「一見マーケティングには精通してるように、自信たっぷりに話ししてるけど、実際に結果が出てるのかな?」
「話していることは、最新のマーケティングの手法の話だけで、マーケティングにおいて本質的に大切なことがわかっていないのではないか?」
などが湧いてきました。
で、いくつか質問したら、あっさりそれが分かっちゃったんですね。
細かくは明らかにしませんが。
◆ 最新のマーケティング手法は、最強のマーケティングか?
SNS等の新たなサービスが開発され、多くの人たちが利用するようになり、社会に浸透するようになると、それに付随して「如何に集客するか?」という視点でTwitterマーケティングとかFacebookマーケティングとかの書籍が発刊されたり、セミナーが開催されたりしました。
でも、これって、本質的には「効果的・効率的に集客が出来る仕組みが利用できるようになった」ということであり、マーケティングの手法自体は変わっていないんです。
社内外のデータを集め、クロスSWOTし、セグメンテーション/ターゲティング/ポジショニングを検討し、メッセージを開発して、各チャネルを使ってプロモーションを仕掛けていく。
このプロセスのどこかにFacebookやTwitterやLINEが入ってくるわけではないんです。
で、こういうことをちゃんと教えるところがない、教えていない、教える人がいない、というのが現状なんですよね。
「マーケターたるもの、自分で考えろ」
と言いたいところですが、できない人もいるので、なんらかの救済措置は必要かもしれませんね。
◆ 結局、何事も「自分はやれる」という気になっている人は、とっても危険。
マーケターに限らず、営業職でもどういう職種でも、「自分はやれる」という気になっている人は、とっても危険ですね。
上記のように、例えばマーケティングの根本を見落とし、理解できず、最新の手技手法にこだわる人は、物事の原理原則をよく理解していないので、結果が出せません。
むしろ、弊害・損失を作りかねません。結果が出ないのですから、チームや組織に迷惑をかけるのは当然ですよね。
最新のマーケティングについてウンチク語る前に、初心者に分かるように講義できるようになる必要があると思いますよ。
それくらいのことができなければ、マーケティング職において、周囲の協力は得られませんよ。
結果も出せませんよ。
また、「自分はやれる」と思っている人の、もう一つの危険な点をご披露します。
「自分はやれる」と思っている人には、なんらかの手段で初心に戻っていただくことが、ご本人のためになります。
「自分はやれる」という気になっている人は、もうその時点で成長が止まっちゃうんですね。
せっかくの成長の機会があっても、「自分はできる」と思っていると、その成長の機会にすら気付かないんです。
さらに、周囲の人たちも「彼はちゃんとできるんだよね?」と認識すれば、そういう人に対してわざわざ新しい情報を提供してくれなかったりします。
知っている(と思われる)人に、わざわざ「これ知ってますか?」などと教えてくれる人は、いません。
その組織が忙しければなおさらです。
このようにして、情報とは「自分はできる」と思っている人を通らずに広く流布されるんです。
そして、「自分はできる」と思っている人の成長が、止まっていくんです。
「自分はできる」という思い、危険ですね。
本当に大切なのは、素晴らしい製品やサービスを作り出すことなんです。
それなしに、マーケティングにいくらお金と労力と時間をつぎ込んでも、LINEやTwitterやFacebookを使っても、ビジネスの発展には結びつかないんです。
結果が出ないんです。
次回はマーケティングがないマーケターや企業について一緒に見てまいりましょう。
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