日本の営業職に成果主義・業績評価が浸透してずいぶん時間が経ったように思います。
営業も所長や課長も、支店長や営業部長も、数字に非常に敏感ですからね。
私もそのような評価をされたり、評価をしてきたので、その現場感も評価者・被評価者の気持ちもわかります。
ただ、企業のプロダクトマネージャーやプロジェクトマネージャー、マーケティング本部長・営業本部長などとの仕事が増えるにつれ、
「その提案は良いけど、それやったらいくら売れるの?」
というコメントが非常に増えました。
これも成果主義・業績評価の影響かもしれませんね。
ビジネスの原理原則で言えば、新しい取り組みが必ず成功するかどうかは“分からない”ものです。
なぜなら顧客は多種多様だからです。
1つの施策で全ての顧客に喜んで、満足してもらえることを、経験したことがありますか?
それで大成功したビジネスって聞いたことがありますか?
それで大成功できれば、誰も苦労しないんです。
だから、今回のタイトルにあるように
「これをやったら、いくら売れるの?」
とか、
「これって、必ず上手くいくの?」
などと平気で尋ねるような管理職は、相手にしない方がいいです。
たとえあなたが営業で、上司からそんなビジネスセンスのない質問をされたら、あなたはその上司を相手にする必要はありません。
「うまくいくように、しっかり取り組みます」
とだけ答えておいて、実際に成果を出せるように粛々と取り組むだけで良いんです。
細かいことを突っ込まれたら、工程表をきちんと提示して、営業プロセスの管理をしていることをお伝えすれば十分でしょう。
更に、このような取り組みの管理職の問題は、
- 企画が上手くいくかどうかの担保を相手に求めている
ということであり、
- うまくいかなかったら、その責任を提案者に擦り付ける(他責である)
という考えや仕事に対する態度が見え見えであるということです。
仕事にそのような態度で取り組んでいる人で、ビジネス界に名を残した人を、私は知りません。
むしろ、どのような状況でも「最後には自分が責任を取る。だからみんなの力を貸して欲しい!」とリーダーシップを発揮した人こそが、一角の人物として名を成し、後進の育成にも成功でき、企業の発展に寄与できる人です。
そのような人は「この企画は成功するの?」「いくら儲かるの?」などとせこいことは言わないものです。
こういう人は、ある企画でも成功するまで取り組むし、儲かるまで取り組むからです。
考え方が自責と他責では、そもそもその人が取っている立場が違うので、結果の出方も違うのです。
腹をくくって仕事をしてる人の方が魅力的であり、実績を挙げられるのは至極当然のことなのです。
大事なことは、
- ビジネスで成功するかどうかは“確率”である
- 責任者が結果を出すことに本気で立場を取る
ということです。
「うまくいくのかなぁ?」
などと二の足を踏んでいる競合を尻目に、仕事が出来る人はまずアクションしてみて、その結果を分析して次の手に活かすようにフィードバックし、更なる次の手を考え、着手していきます。
今話題の“ベイズ統計”を着実に、迅速に推し進めることが出来る人こそが、これからのビジネスで生き残っていけるのだろうと私は考えています。
実際にこの“ベイズ統計”を活用した新たなサービスも生まれています。
このようなビジネス環境の変化が起こっているにも拘らず、未だに
「何をやったら売れるんだ?」
「全員でもっと知恵を出せ!」
「この企画でいくら売れるんだ?」
等とのたまっている人は、早晩消え行く運命にあるので、そのような人は相手にせず、私たちはしっかりと着実に仕事に取り組み続け、ビジネスで成功できる“確率”を高めた方が良いようですね。
だから私は、ビジネスの原理原則を大切にしています。
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